つかむその手を放せ のこり香にすら 意味はない ただ前を見る。 P.S. やはりただ前こそを見るべし。

この庭に咲く 花にほふが如く いまかぜ爽快なり ひの元の奏鳴曲 (ソナタ) は鍵 風とともにいまひとり ただ笑ふほかなし P.S. いやそもそもがわかるはずなきことよ。

そのはな花とも わからぬから咲ふ 果然ほかなし P.S. いや風吹かば吹け雨降らば降れ。

今や散りゆく そのさまにその なにを知り吹聴す ただひらはら 聞こえる声なし P.S. いかにも音もなくあれよあれよや。

無常ひとまずお茶 いつの世も ここのたりかな 風を待つのみ P.S. いや是まさに慈雨なり。

いまにましまし こここのまにまに 風吹きたるも形無し ＃時雨れるもかた無し P.S. いや慈雨もまた方無しお陰さんや。

教えは大きにあやまる それを習ふは猶あやまる ただ直に見、直に聞け 直に見るは見るものなし 直に聞くは聞くもののなし 見ず聞かず 思わず知らず 思ひてを なにとて己が ほかに成すらむ 至道無難 即心記 P.S. いつにあれ己こそが用心よ。